日本では年金の支給開始年齢は原則65歳ですが、少子高齢化の進行により年金財政の持続可能性が課題となっています。将来世代の負担を軽減するためには、年金制度全体の見直しが求められており、支給開始年齢のさらなる引き上げも検討されています。実際、2024年時点でOECD加盟38か国のうち23か国において、法定の年金支給開始年齢の引き上げが予定されており、国際的にもこうした傾向が強まっています。加えて、日本では65歳以上の就業率が上昇傾向にあり、高齢者の労働力の活用可能性が広がっています。一方で、加齢により働くことが困難な人もいることから、単純な引き上げでは格差を生むおそれがあり、年金制度の見直しには、財政健全化・生活保障・世代間の公平性等の要素を考慮しつつ、柔軟かつ段階的な改革が求められています。

非常にそう思う
少子高齢化に対応し制度維持のため支給開始年齢引上げを支持する立場。

ややそう思う
高齢化社会への対応として支給開始年齢の選択範囲の拡大など、一定の範囲での引き上げはやむを得ないとする立場。

どちらとも言えない
制度の安定と高齢者の生活の両立に悩む中立的立場。

あまりそう思わない
高齢者の就労実態や健康に応じた柔軟な運用を求める立場。

まったくそう思わない
支給開始年齢の引き上げは生活不安を招くとして反対の立場。

もっと詳しく

将来世代の負担を軽減するため、年金の支給開始年齢をさらに引き上げるべきだ

現在の物価高に対応するため、時限的な消費税率の引き下げは有効な対策として議論されています。日本の消費税率は2019年10月から標準税率10%が適用され、酒類・外食を除く食料品や新聞には8%の軽減税率が適用されています。今日の物価高騰が家計を圧迫する中、消費税の時限的な引き下げを公約に掲げている政党もある一方、財政健全化への影響を懸念し、慎重な姿勢を崩さない政党もあります。論点は、消費税率の引き下げが、景気回復や消費者の購買意欲向上につながる可能性があることです。ただ、例えば一律5%減税を試算すると約15兆円もの税収減が見込まれ、社会保障費など既存の財源に穴を開けることになります。一時的な対策としては効果が見込まれるものの、財政への長期的な影響と、国民生活への影響を総合的に考慮した上で、慎重な判断が求められています。

非常にそう思う
現在の物価高は深刻で、時限的でも速やかに消費税を下げて家計を直接支援すべきとする立場。

ややそう思う
ある程度の効果は期待できるが、他の政策（給付金や補助金）との比較が必要だとする立場。

どちらとも言えない
消費税減税の効果や財政への影響を考えると、賛否を判断しきれないとする立場。

あまりそう思わない
減税によって一定の負担軽減は見込まれるものの、時限的では効果が限定的で、政策コストに見合う支援になるか疑問があるとする立場。

まったくそう思わない
消費税の減税は、必要な財源規模が景気や消費動向によって変動しやすく不確定であり、制度として不安定。支援の対象や規模を明確に設定できる給付金などの方が、より現実的な対応だとする立場。

現在の物価高への対応として、時限的な消費税率引き下げを実施すべきだ

現在の物価高騰を受け、食料品などに範囲を限定した消費税率の引き下げが議論されています。現在日本の消費税率は2019年10月から標準税率10%が適用され、酒類・外食を除く食料品や新聞には8%の軽減税率が適用されています。これは、低所得者層への配慮や生活必需品への負担軽減を目的としたものです。物価高に苦しむ国民の声を受け、一部の政党が食料品の消費税率を時限的に0%に引き下げる案などを主張しています。これは食料品の消費税率引き下げが、物価高で苦しむ家計、特に低所得者層の負担軽減に直接つながるという期待があるからです。しかし、広範囲な品目にわたる物価高騰に対し、食料品に限定した減税ではピンポイントで狙った層（例えば低所得者層）の負担軽減に十分つながらないという意見もあります。また、税率変更に伴う店舗のシステム改修コスト、そして税収減による社会保障財源への影響も懸念されます。実効性と財政健全化のバランスをどう取るかが課題です。

非常にそう思う
生活必需品に対する減税は社会的に公平であり、庶民の暮らしを守る有効策だとする立場。

ややそう思う
全てを対象とするより現実的だが、制度設計には慎重さが必要だとする立場。

どちらとも言えない
生活必需品の負担軽減には効果が期待できる一方で、対象の線引きや事務コストの増大、税収への影響など、政策全体のバランスを見たときに判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
線引きや事務コストが高く、実効性に乏しい恐れがあるとする立場。

まったくそう思わない
複雑な税制は逆に混乱を招くため、一律の支援や補助が望ましいと考える立場。

現在の物価高への対応として、食料品など範囲を限定して消費税率を引き下げるべきだ

消費税減税の財源を赤字国債で賄うべきか否かは、日本経済が抱える構造的な課題と直結する重要な論点です。現在、日本の政府債務残高はGDP比で世界最大級であり、毎年の国家予算の3割以上を国債発行に依存しています。この状況は、将来世代への負担の先送りであり、財政健全化が喫緊の課題であることを示唆しています。こうした背景から複数の政党が消費税の廃止や軽減を公約に掲げ、その財源として赤字国債の発行も視野に入れています。彼らは、減税によって景気が回復し、結果的に税収が増加するという考えを示しています。しかし、論点は、消費税減税が景気刺激策として機能する可能性を評価しつつ、財政規律の維持とのバランスをどう取るかという点にあります。赤字国債に依存しすぎると、将来的な金利上昇やインフレリスク、国際的な信認の低下を招き、最悪の場合には財政破綻を引き起こす可能性があります。したがって、財政の持続可能性を確保しながら、国民生活への影響を最小限に抑えるための慎重な議論が求められます。

非常にそう思う
減税が必要なら、将来的に回収する前提で一時的に赤字国債を使うのは現実的だとする立場。

ややそう思う
他に代替財源がないならやむを得ないが、国の財政状態を考えると慎重さも必要とする立場。

どちらとも言えない
必要性は理解できるが、赤字国債に依存することのリスクも無視できないとする立場。

あまりそう思わない
将来世代への負担になるため、減税のための国債発行には否定的な立場。

まったくそう思わない
持続可能な財政を守るため、赤字国債を財源とする減税は断固反対の立場。

消費税を減税する場合、その財源を赤字国債によって賄うべきだ

政府は2025年度税制改正で、配偶者の扶養内で働くパートタイム労働者の「103万円の壁」を、給与収入160万円（基礎控除と給与控除の合計額、所得制限あり）に引き上げると決定しました。これは、これまで103万円を超えると所得税の配偶者控除が段階的に縮小され、働き控えにつながるとされていた問題を緩和するものです。これに先行して「106万円の壁」（年収106万円以上で社会保険への強制加入義務が生じ、手取りが減る問題）については、企業への助成金などで大部分の撤廃が決定済みです。今回の160万円への引き上げで、パート労働者の働き控えが一定程度解消され、労働力確保や経済活性化に繋がると期待されます。しかし、所得制限があるため、高所得世帯の恩恵は限定的です。また、税収減や、扶養制度の複雑化を招く可能性も指摘されています。さらなる引き上げや制度改善を求める声もありますが、社会保険制度全体や財源との兼ね合いを考慮し、慎重な議論が求められます。

非常にそう思う
政府の対応は不十分または問題のあるものであり、直ちに引き上げ・改善の措置を決定し実行すべきとする立場。

ややそう思う
政府の措置は評価するが、さらなる引き上げや改善を前提とした議論を進めるべきとする立場。

どちらとも言えない
現行の引き上げがどの程度効果を発揮するかを見極めた上で、必要があれば追加の引き上げや制度改善を検討すべきとする立場。

あまりそう思わない
今回の措置の効果を見極めることが先決であり、拙速な制度変更は避けるべきとする立場。

まったくそう思わない
今回の措置で十分であり追加の議論は当面は必要ない、もしくは「壁」引き下げによる解消や根本的な制度の見直しなど、政府の措置とは異なった解決策を優先すべき（だった）とする立場。

令和7年度予算の審議の結果、いわゆる「年収の壁」が160万円（所得制限あり）に引き上げられたが、このさらなる引き上げや改善を直ちに行うべきだ

物価上昇が続く中、政府による補助金や給付金などの直接的支援のさらなる拡充は、家計負担の軽減に有効な手段として期待されます。国内の消費者物価指数（CPI）は2024年度平均で前年比2.7%上昇しており、国民生活への影響は深刻です。政府はこれまでも、エネルギー価格高騰対策の補助金や、低所得世帯への給付金などを実施してきました。しかし、物価高騰は食料品や日用品など広範囲に及んでおり、ガソリン価格に含まれる「二重課税」（ガソリン税にさらに消費税が課税される問題）も家計を圧迫する要因として長年指摘されています。直接的な支援は、生活困窮者を中心に即効性がある反面、財政負担の増大という課題を伴います。また、恒久的な物価高対策としては、賃上げによる所得向上や、経済全体の生産性向上といった根本的な解決策も不可欠です。補助金や給付金はあくまで一時的な対応であり、物価高騰が賃上げや減税の議論など多岐にわたる問題に派生している現状を踏まえ、短期的な支援と中長期的な構造改革をバランス良く進める必要があります。

非常にそう思う
生活防衛のため迅速かつ広範な支援拡充を強く求める立場。

ややそう思う
一定の支援は必要だが、所得等で制限をかけるなど、財源や持続性、公平性とのバランスが必要との立場。

どちらとも言えない
支援の有効性とインフレとの関係に悩む中立的立場。

あまりそう思わない
支援に頼りすぎると自立を損ねるとして慎重な立場。

まったくそう思わない
財政悪化への懸念、実際の効果への疑問といった理由により、給付金等の形式による支援には懐疑的な立場。

物価上昇対策として、政府が補助金や給付金など直接的な支援をさらに拡充すべきだ

所得税の累進性強化は、格差是正と財源確保の観点から議論されています。現状、日本では所得税の最高税率は高く設定されていますが、株式の配当や譲渡益といった金融所得は分離課税で一律20.315%と低く、高所得者ほど金融所得の割合が高いため、実質的な累進性が機能していないとの指摘があります。累進性強化の論点としては、富裕層からの税収増が見込まれる一方、勤労意欲や投資意欲の減退につながる可能性が挙げられます。特に金融所得への課税強化は、資産形成や企業の資金調達に悪影響を与える懸念もあります。一方で、所得格差の拡大が社会の不安定化を招くという指摘もあり、税の公平性と経済活動への影響をどう両立させるかが課題です。

非常にそう思う
富裕層の優遇是正と再分配強化を目的に課税強化を強く支持する立場。

ややそう思う
課税の公平性確保のため一定の引き上げは必要とする立場。

どちらとも言えない
再分配の必要性は理解できるが、高所得層の納税意欲や経済活動への影響を懸念し、判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
所得税のさらなる引き上げは、高所得者の労働意欲や企業経営への悪影響を及ぼす可能性があり、慎重な立場。

まったくそう思わない
累進課税の強化は経済の活力を損なう恐れがあり、むしろ税率の簡素化やフラット化を進めるべきとする立場。

所得税の累進性を強化すべきだ

日本政府は企業の賃上げを促すため、賃上げ促進税制を設け企業の法人税負担を軽減することで従業員への賃金還元を誘導してきました。これは、「企業の内部留保が過剰」との指摘に対し、溜め込んだ資金を賃上げに回すことを期待するものです。2024年の春闘では、自動車や電機などの大手企業で、労働組合の要求を上回る満額回答が相次ぎ、33年ぶりの高水準となる5%を超える賃上げが実現しました。これは、税制優遇だけでなく、人手不足感の高まりや、岸田政権が掲げた「新しい資本主義」の賃上げ要請も背景にあります。論点は、法人税優遇が賃上げにどこまで直接つながるかです。内部留保は企業にとって将来の投資や不測の事態に備える資金であり、必ずしも「過剰」とは言えません。また、優遇措置は税金を納めている企業にしか適用されないため、赤字企業や体力のない中小企業には恩恵が届きにくい側面もあります。賃上げは企業の持続的な成長と生産性向上が伴ってこそ定着するため、税制優遇だけでなく、より幅広い支援策が求められます。

非常にそう思う
企業が従業員の給与を引き上げた場合に法人税を軽減する現在の優遇措置を評価し、さらなる減税で賃上げを後押しすべきとする立場。

ややそう思う
一定の効果は期待できるが、実際にどの程度賃上げに結びついているかの検証や、恩恵が大企業に偏らないよう中小企業への対象を明確にする必要があると考える立場。

どちらとも言えない
税制優遇と財源確保のバランスに悩む中立的立場。

あまりそう思わない
減税による賃上げ促進には限界があり、内部留保への課税など、より直接的に企業の利益配分を促す仕組みが必要だとする立場。

まったくそう思わない
法人税優遇に反対し、内部留保課税など別の手段を求める立場。

企業の賃上げを促すため、法人税の優遇や減税措置をさらに拡大すべきだ

格差是正と財源確保の観点から富裕層への応分負担として金融所得課税の引き上げが議論されています。現状、株式の配当や譲渡益などの金融所得は、所得税と住民税を合わせて一律20.315%の分離課税が適用され、給与所得などと比較して高所得者ほど実質的な税負担率が低くなる「1億円の壁」問題が指摘されてきました。この是正のため、2025年からは年間合計所得30億円超の超富裕層に対し、金融所得も含む合計所得に対する税負担を最低22.5%に引き上げる「ミニマムタックス」（正式名称：極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置）が導入されます。論点としては、税負担の公平性向上が期待される一方、急激な引き上げは富裕層の勤労意欲や投資意欲の減退、ひいては海外への資金流出を招き、経済全体に悪影響を与える懸念もあります。NISAなど投資優遇制度との兼ね合いも考慮し、バランスの取れた税制が求められます。

非常にそう思う
富裕層の優遇是正と再分配強化を目的に課税強化を強く支持する立場。

ややそう思う
課税の公平性確保のため一定の引き上げは必要とする立場。

どちらとも言えない
再分配の強化には理解があるが、投資意欲の低下や個人の資産形成への影響も懸念され、判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
税率引き上げによって投資が減少し、企業の資金調達や市場の活性に悪影響が出る可能性があり、慎重な立場。

まったくそう思わない
投資促進を優先し、金融所得課税強化に反対の立場。

金融所得課税を引き上げて富裕層の負担を増やすべきだ

最低賃金の全国一律1,500円への引き上げは、物価高騰下の労働者の生活安定に寄与する一方、企業の経営、特に中小企業への影響が大きな論点です。政府は近年、最低賃金の引き上げを継続し、2023年には全国加重平均で1,000円を超え、2020年代に全国平均1,500円を目指しています。しかし、急激な引き上げは人件費増大による経営悪化や雇用抑制、倒産につながるリスクが指摘されています。また、最低賃金が上がっても社会保険料負担増で手取りが伸び悩む「年収の壁」問題や、企業規模・地域による賃金支払能力の差も考慮すべきです。労働者にとっては生活水準向上への期待があるものの、企業側には生産性向上や価格転嫁の努力が求められます。全国一律化は地方経済への影響を慎重に見極める必要があります。

非常にそう思う
格差是正などの観点から直ちに一律1,500円を目指すべきとの立場。

ややそう思う
「全国一律」や「直ちに」は難しいが、1,500円より低い水準での一律賃上げや2020年代の一律1,500円など、政府方針以上の賃上げは必要とする立場。

どちらとも言えない
賃上げと雇用維持の両立が難しく中立的立場。

あまりそう思わない
2020年代中の全国平均1,500円との石破政権による方針が妥当との立場。

まったくそう思わない
従前の政府目標どおり、2030年半ばに全国平均1,500円を緩やかに目指すべきとの立場。

最低賃金を全国一律で直ちに1,500円に引き上げるべきだ

アベノミクス以来の大胆な金融緩和方針に則り、日本銀行はデフレ脱却と物価安定を目指し、大規模な国債買い入れやマイナス金利政策を導入してきました。しかし、長期間の金融緩和は、円安の進行や市場機能の低下といった副作用も指摘されてきました。そこで日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策とイールドカーブ・コントロール（長短金利操作）を解除し、約17年ぶりの利上げに踏み切りました。これは、物価上昇と賃上げの好循環が確認されつつあることを背景に、金融政策の正常化へ向けた大きな転換点とされています。論点としては、金融政策の引き締め方向への見直しをさらに進めるべきかという点です。追加利上げは、円安を是正し輸入物価上昇を抑制する効果が期待されます。一方で、金利上昇は企業の借入コスト増や住宅ローン金利の上昇につながり、景気や企業活動、個人消費に悪影響を及ぼす懸念があります。特に、デフレからの完全な脱却が見極められない中での急激な引き締めは、経済の失速を招くリスクもあり、物価の安定と経済成長のバランスをどう取るかが、今後の日本銀行の金融政策の焦点となります。

非常にそう思う
物価安定と金利正常化のため速やかな引き締め転換を支持する立場。

ややそう思う
緩和の効果は一定あったとしても、これからの段階的な見直しと引き締めにも賛成する立場。

どちらとも言えない
景気動向と金利のバランスに悩む中立的立場。

あまりそう思わない
一定の調整は否定しないが、現段階において急激な引き締めの必要はないと考える立場。

まったくそう思わない
金融緩和継続が必要との立場で、引き締めには明確に反対する立場。

アベノミクス以来の金融緩和方針を明確に転換させ、金融政策を引き締め方向に見直すべきだ

TPPに代表される低関税・無関税の自由貿易ネットワークの拡大は、経済成長と国際競争力強化につながる一方、国内産業への影響が懸念点です。現在、日本は環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定（CPTPP、通称TPP11）に参加しており、また、EUやASEAN各国など20以上の国・地域とFTA（自由貿易協定）やEPA（経済連携協定）を締結しています。FTAが関税撤廃・削減に特化するのに対し、EPAは投資、知的財産、人の移動など幅広い分野を含みます。CPTPPは当初米国も参加していましたが2017年に離脱した一方で、2024年には英国が正式に加盟し、枠組みが拡大しました。これは、日本の国際地位向上に寄与すると期待されます。論点として、関税撤廃による輸出機会の拡大や消費者メリットがある反面、安価な輸入品の流入で国内農業や中小企業が打撃を受ける懸念が挙げられます。国際分業の進展による効率化と、国内産業の保護・競争力強化策のバランスをどう取るかが、今後の貿易政策の課題となります。

非常にそう思う
国際競争力強化や消費者への利益といった自由貿易の恩恵は莫大であるから、相手国に拘らず推進していくべきとの立場。

ややそう思う
自由貿易自体は肯定的だが、相手国や品目は国益や国内産業保護の観点からしっかりと選別すべきとの立場。

どちらとも言えない
経済成長と産業保護のバランスが難しく、中立的立場を取る立場。

あまりそう思わない
自由貿易の推進は理解するが、国内産業の保護をより優先すべきと考える立場。

まったくそう思わない
国内の農業・中小企業への悪影響を懸念し、さらなる拡大には反対、場合によっては縮小も検討すべき等の消極的な立場

TPPなど、低関税・無関税の自由貿易ネットワークを今後もますます拡大させていくべきだ

ふるさと納税は、応援したい自治体に寄付することで、所得税や住民税から原則として(寄付額-2,000)円が控除される制度です。寄付限度額は所得額に応じて増えるため、高所得者ほど多額の寄付ができ、豪華な返礼品を受け取れることから、「逆進性」であるとの批判があります。時事動向として、政府は制度の是正に乗り出しており、2024年10月からは返礼品を強調した過度な宣伝広告が禁止され、返礼品と自治体との関連性に関する規定も厳格化されました。これは、「応援」という当初の目的が薄れ、返礼品競争が過熱している現状への対応です。逆進性や返礼品競争といった問題点が指摘される一方で、地方の自治体にとっては貴重な財源となり、地域の活性化に貢献しているという側面もあります。また、納税者が税金の使途を自ら選べるというメリットも存在します。制度の公平性を高めつつ、地域振興という本来の目的を両立させるための、抜本的な見直しが求められています。

非常にそう思う
逆進性や都市部の自治体の財源が減ることを問題視し、制度の見直しを強く支持する立場。

ややそう思う
ふるさと納税の趣旨は評価するが、返礼品競争など現行制度に改善余地があるとする立場。

どちらとも言えない
制度の利点と欠点を天秤にかけ中立的立場。

あまりそう思わない
利用者にとって使いやすく魅力ある制度であり、制度の基本的な枠組みを変えるような見直しには否定的な立場。

まったくそう思わない
ふるさと納税は、地域の財源確保や地場産業支援に加え、利用者が自ら応援先を選べる意義ある制度であり、見直しには反対の立場。

高所得者ほど有利となる逆進性など、問題点のある現行のふるさと納税制度は見直すべきだ

議員や企業の女性管理職の比率を一定以上にする目標設定の義務化は、ジェンダー平等推進の観点から議論されています。現在、日本の政治分野では衆議院で約10%、参議院で約23%と女性議員の比率は低く、世界的に見ても低い水準にあります。また企業においても、東証プライム市場上場企業の役員に占める女性の割合は16.1%に留まっています。こうした流れを受けて政府は「第5次男女共同参画基本計画」で、2025年までに国政選挙の候補者に占める女性比率を35%とする努力目標を設定しました。また、東証は2030年までにプライム市場上場企業の女性役員比率を30%以上とすることを目指す方針を打ち出しています。義務的な目標設定や公表により、企業や政党の取り組みが加速し、「ガラスの天井」の打破につながるという期待がある反面、形式的な登用や能力に見合わない人選につながる懸念も指摘されています。女性の活躍を実質的に推進するためには、目標設定だけでなく、育児・介護との両立支援や多様な働き方の推進、男性の意識改革など、包括的な対策が不可欠です。

非常にそう思う
政治や経済における構造的な男女不平等を是正するには、強制的な仕組みが必要という立場。

ややそう思う
男女のバランス改善は重要だが、まずは自主的な努力や支援策を推奨すべきという立場。

どちらとも言えない
義務化による効果と副作用の両方を考慮し、判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
能力主義や現場事情を尊重すべきで、数値目標の義務化には慎重な立場。

まったくそう思わない
性別による割当ては逆差別につながるとし、個々の選択や競争に任せるべきとの立場。

議員や企業の女性管理職の比率を一定以上にする目標設定を義務付けるべきだ

日本は少子高齢化による労働力減少が深刻化しています。政府は特定技能制度の対象分野を拡大し、2027年までに倉庫管理や廃棄物処理などを追加する方針であり、外国人材への依存度が高まると見込まれます。一方で、外国人労働者受け入れの際には、低賃金や劣悪な労働環境、言語・文化の違いによるコミュニケーション不足、地域社会との軋轢、治安悪化などが懸念されています。また、ドイツのブルーカード制度のように、高度人材の受け入れを促進する動きもありますが、日本は単純労働分野でのニーズも高く、全体の受け入れ環境整備が急務です。外国人労働者の権利保護や社会統合への支援を強化し、共生社会の実現に向けた包括的な議論と対策が求められます。

非常にそう思う
労働力不足や経済活性化のため受け入れ拡大が必須との前提で、規制緩和や法整備など様々な政策を推進すべきとする立場。

ややそう思う
高度な技能を有する等、特定の外国人材に限って受け入れを促進・拡大すべきとする立場。

どちらとも言えない
人手不足と社会的影響の間で判断が難しいとする中立的立場。

あまりそう思わない
法整備や日本語学校など受け入れ環境の整備が必要であり、それらが完了するまでは受け入れを抑制すべきとする立場。

まったくそう思わない
治安の悪化や環境整備のための費用が膨大なものとなるため、そもそも受け入れ拡大に反対・慎重な立場。

日本は引き続き積極的に外国人労働者を受け入れるべきだ

2024年、日本の出生数は68.6万人と過去最少を記録し、少子化の深刻さが一層浮き彫りとなりました。子育て関連の公的支出も、2019年時点でGDP比1.79％と欧州諸国の平均（2％超）より低く、十分とは言えません。こうした状況を受け、2024年度のこども家庭庁予算は約5.3兆円にまで拡大されました。しかし、急速な高齢化が進む中で財源は限られているため、子育て世代への無制限な支援拡充は困難で、今後は年金・医療など既存の社会保障制度の見直し、子育て家庭への経済的支援拡充の是非についても議論を行う必要があります。そのため、全世代の利益を調整し、「誰に、どれだけの予算を割くのか」という社会的合意と、持続可能で公平な制度設計が求められています。

非常にそう思う
少子化対策として全世帯への手厚い支援を最優先とする立場。

ややそう思う
支援拡充には賛成だが財源や制度の効率性も考慮すべきとする立場。

どちらとも言えない
子ども支援とその他の社会保障サービスとのバランスに悩む立場。

あまりそう思わない
財政の見直しは必要だが、捻出された財源を子ども支援のみに充てるべきではないとする立場。

まったくそう思わない
他の重要政策との兼ね合いから反対の立場。

国民負担やほかの社会保障サービスを見直し、子どもを持つ家庭への経済的支援を大幅に拡大すべきだ

日本の年金制度は、現役世代が高齢者を支える仕組みですが、少子高齢化の進行により、将来世代の負担増が懸念されています。今後、支え手となる現役世代の人口が減少し、受給者が増えることで、制度の持続可能性が問われています。このため、年金給付額の引き下げを検討することで、将来世代の保険料負担や財政圧迫を軽減し、制度の安定化を図るべきだとの意見があります。しかし、給付額の減額は高齢者の生活に影響を及ぼすため、生活保障や貧困対策とのバランスを考慮した慎重な議論が必要です。

非常にそう思う
制度維持と将来世代負担軽減のため給付引き下げを容認する立場。

ややそう思う
部分的な見直しには理解を示すが生活保障は確保すべきとする立場。

どちらとも言えない
受給者と将来世代のバランスに悩む中立的立場。

あまりそう思わない
給付減は生活に直結するとして慎重な立場。

まったくそう思わない
生活の質を損なうとして給付水準引き下げに明確に反対の立場。

将来世代の負担を軽減するため、年金の給付額を引き下げる方向で見直すべきだ

日本の医療費は令和5年度に過去最高の47.3兆円となり、前年度比で約1.3兆円の増加でした。高齢化の進展によって医療費は増加し続けており、制度の持続可能性が懸念されています。現行制度では、70歳未満が原則3割負担、70～74歳が原則2割、75歳以上は原則1割（70歳以上も現役並み所得者は3割）と年齢・所得階層ごとに異なる負担割合が設定されています。この状況を踏まえ、所得の高い高齢者への負担増や自己負担割合の見直しが検討されており、特に高額療養費制度の一部では自己負担上限の引き上げ案も議論されています。ただし、自己負担増は医療アクセスの抑制や経済的弱者への影響など所得とのバランス調整が必要であり、制度の公平性と持続可能性の両方に配慮した、柔軟な対応が求められます。

非常にそう思う
医療財政維持のため負担割合の見直しを支持する立場。

ややそう思う
一定の見直しは必要だが低所得者配慮を求める立場。

どちらとも言えない
制度の持続性と公平性の調整が難しいとする中立的立場。

あまりそう思わない
負担軽減は所得で制限をつけるなど、必要なものについて慎重に講じるべきとする立場。

まったくそう思わない
自己負担割合の増加に絶対に反対とする立場。

医療費抑制のため、患者の自己負担割合を増やす方向で見直すべきだ

近年、日本では後発医薬品（ジェネリック）の供給不足が深刻化しています。背景には、安価な薬価設定(国の定める薬の公定価格)と、原薬やエネルギー価格の高騰により、製造コストが上昇する中で十分な利益が得られず、設備投資が滞っている現状があります。さらに、2020年以降、後発薬メーカーで相次いで発覚した品質不正により製造停止が相次ぎ、供給体制が大きく崩れました。後発薬は新薬と同じ有効成分を持ちながら安価であるため、医療費抑制に寄与してきましたが、持続可能な供給には適正な利益確保が不可欠です。薬価の引き上げは医療費増加を招く懸念もありますが、安定供給を確保し、医療現場の混乱を防ぐには避けて通れない議論となっています。

非常にそう思う
安定供給のため薬価引き上げを必要とする立場。

ややそう思う
医療財政に配慮しつつも必要な見直しを支持する立場。

どちらとも言えない
薬価と流通体制の調整に悩む中立的立場。

あまりそう思わない
薬価上昇が患者負担増につながることを懸念する立場。

まったくそう思わない
薬価引き上げに反対し、他の解決策を優先すべきとする立場。

薬不足解消のために薬価を引き上げるべきだ

介護保険制度は、40歳以上の国民が保険料を支払い、要介護認定を受けた際に介護サービスを1～3割の自己負担で利用できる仕組みです。財源は保険料と公費（税金）で半分ずつ賄われていますが、高齢化の進行により介護費用や保険料は増加傾向にあり、地域による負担の差も課題となっています。公的負担割合を現行の50％からさらに増やせば、加入者の保険料負担を抑え、国民全体で広く負担を分かち合うことができますが、一方で国や自治体の財政負担増加という新たな課題も生じます。持続可能な制度運営のため、慎重な議論が求められています。

非常にそう思う
介護の質の確保と低所得者の負担軽減のため、積極的に国・自治体の公的負担割合を増やすべきと強く支持する立場。

ややそう思う
低所得者支援を重視し、必要に応じて公的負担割合の増加を支持する立場。

どちらとも言えない
財政と公平性のバランスに悩む中立的立場。

あまりそう思わない
公的負担割合の増加による財政圧迫を懸念し、財政健全化を重視する慎重な立場。

まったくそう思わない
公費投入増に反対であり、自助・共助の強化を求め、財政健全化を重視する立場。

介護保険制度加入者（40歳以上）の負担を抑え、国民が広く負担を分かち合うために、公的負担割合を現行の50％からさらに増やすべきだ

日本の高校無償化制度は、所得制限を設けた「高等学校等就学支援金制度」に基づき、公立・私立高校とも年収約910万円未満の世帯を対象に授業料補助が行われています。2025年には、所得制限が撤廃されて、公立・私立を問わず一律年間11万8,800円が授業料補助として支給されるようになり、2026年からは、私立校では支援額が45万7,000円まで拡大される予定です。加えて、東京都や大阪府では所得制限なしで私立授業料を実質無償化する動きも進行中です。一方で、「財源の確保」や「公立とのバランス」「努力の動機づけ」などを懸念し、低所得世帯に重点的支援すべきとの指摘する経済学者もおり、制度拡大にあたっては、「生徒が希望校を選べる権利」と「公平性・財政負担」とのバランスを考えた判断が求められます。

非常にそう思う
家庭の経済状況に関係なく教育機会を補償すべきとする立場。

ややそう思う
公立・私立の差を是正するためには有効だが、公平性や財源の観点から所得や成績などの条件設定が必要とする立場。

どちらとも言えない
公平性と財政負担の両面から判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
公的支援は公立を優先すべきであり、私立への無償化は限定的にすべきとする立場。

まったくそう思わない
私立高校は自主的な選択の一つであり、無償化の対象とすべきではないとする立場。

高校無償化の対象を私立高校にも拡大すべきだ

日本では長期にわたるデフレや低成長が続き、民間投資や消費の力だけでは十分な経済成長が見込めない状況が続いています。こうした中で、赤字国債を活用して政府支出を拡大し、公共投資や社会保障、教育、地方振興などに資金を投じることは、需要を喚起し、経済を活性化させる有効な手段とされます。特に金利が低水準にある現在、財政支出の乗数効果が高まりやすく、将来的な税収増によって債務の持続可能性を確保できる可能性もあります。ただし、財政規律や将来世代への負担にも配慮が必要です。

非常にそう思う
デフレ脱却・景気刺激のため積極財政を強く支持する立場。

ややそう思う
短期的には有効だが中長期の財政健全化も必要とする立場。

どちらとも言えない
成長と財政規律の両立の難しさに悩む立場。

あまりそう思わない
将来世代の負担増を懸念し、プライマリーバランス黒字化の達成状況など、財政が持続可能なラインを慎重に見極めるべきとする立場。

まったくそう思わない
財政規律を最重視し、国債増発に一貫して反対の立場。

赤字国債を積極的に発行して国による支出を増やし、経済を刺激すべきだ

日本の財政は長年の赤字累積により、巨額の国債残高が膨らみ続けています。これにより将来世代への負担増や国債の信用低下が懸念される一方、それほどの影響はないとする声もあります。歳出削減とは政府支出の見直しや効率化を指し、社会保障費や公共事業費の抑制なども含まれます。財政健全化を積極的に進めることで、持続可能な財政運営や金利上昇リスクの回避が期待されます。しかし、削減が過度になると国民生活への影響や景気悪化の恐れもあり、バランスのとれた政策運営が求められます。

非常にそう思う
将来世代への負担を軽減するため、徹底した財政健全化が必要だとする立場。

ややそう思う
財政再建の重要性は認識しつつ、成長戦略との両立を重視する立場。

どちらとも言えない
財政健全化の必要性と経済刺激のバランスに悩む立場。

あまりそう思わない
現在の経済状況では、支出削減よりも景気刺激を優先すべきとする立場。

まったくそう思わない
緊縮財政には反対で、財政赤字は容認してでも景気支援を行うべきとする立場。

現在の財政状況には問題が多いため、歳出削減など政府は財政健全化に向けて積極的に取り組むべきだ

日本の温室効果ガス削減目標（2013年比で2035年に60％減、2040年に73％減）は、2023年度時点では達成ペースにありますが、国際的には「低く不十分」との指摘もあります。気候変動対策の国際枠組みであるパリ協定は、目標達成の法的義務はないものの、各国が野心的な目標を掲げることが期待されています。アメリカが一時離脱したように、国際協調の枠組みの維持自体も課題となっており、日本が今後もその枠組みに積極的に関わる姿勢が問われています。再生可能エネルギーを取り入れたエネルギーミックスによる削減方針は評価されていますが、地球温暖化を1.5℃以内に抑えるには、より高い削減目標の再検討も必要です。

非常にそう思う
気候危機の深刻さに対処するには、さらに高い目標設定と早期の排出削減が必要とする立場。

ややそう思う
目標には一定の意義があるが、パリ協定の目標やIPCCの科学的知見に照らして、より高い削減率や実効性ある対策が必要であり、目標は強化されるべきとする立場。

どちらとも言えない
パリ協定で定められた国際目標の達成と経済負担のバランスが難しく、現行目標の評価を保留する立場。

あまりそう思わない
現在の目標は現実的であり、これ以上の引き上げには慎重な立場。

まったくそう思わない
現在の削減目標はすでに高すぎであり、達成可能な目標を掲げるべきとする立場。

温室効果ガス削減目標（2013年の排出量から2035年に60％減、2040年に73％減）は目標として低く不十分だ

脱炭素社会の実現に向けて、温室効果ガスの排出量を法的に制限するべきかどうかは、環境政策と経済活動のバランスをどう取るかが鍵となります。現在、世界では約76の国や地域でカーボンプライシング制度（炭素税や排出量取引制度）が導入され、2022年には世界全体で約950億ドル分取引されています。日本でも化石燃料賦課金制度の導入が構想されており、排出量削減に向けた仕組み作りが進む一方で、法的制限を課すことには慎重な声もあります。特に、企業活動への過度な干渉が営業の自由を侵害するとして、裁判に発展する可能性も指摘されています。一方で、法的拘束力を持たせることで政策の実行力が高まり、確実な排出削減につながるという見方もあり、今後の制度設計には、社会的合意と経済影響の丁寧な検討が求められます。

非常にそう思う
確実な排出削減を実現するため、企業・自治体に法的義務を課すべきとする立場。

ややそう思う
排出抑制は重要だが、段階的な導入と柔軟な制度設計が必要とする立場。

どちらとも言えない
法規制の効果と経済負担のバランスが難しく、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
経済活動への影響を懸念し、法的強制ではなく自主的取り組みを重視する立場。

まったくそう思わない
法的制限は企業活動の自由を阻害し、経済に悪影響を及ぼすとする立場。

脱炭素社会の実現に向けて、温室効果ガスの排出量を法的に制限するべきだ

石炭火力発電は、現状において安定供給性や経済性に優れることから、日本では重要なエネルギー源として運用が続けられています。しかし、石炭火力発電はCO₂排出量が極めて多く、2017年時点で電力部門全体の57％を占めており、気候変動対策の観点からは問題視されています。イギリスのように完全廃止を達成した国もあり、国際的には脱石炭の流れが加速しています。日本は過去に温暖化対策への消極姿勢を理由に「化石賞」を受賞したこともあり、国際的な批判を受けています。一方で、CCSやCCUSといった技術の活用により、石炭火力のCO₂排出を抑える道も模索されています。燃料と国の事情や親和性を踏まえつつ、段階的な廃止と技術開発の両立が求められています。

非常にそう思う
地球温暖化対策と国際的責任を果たすため、石炭火力からの脱却を明確に進めるべきとする立場。

ややそう思う
長期的には廃止を目指すべきだが、地域経済やエネルギー安定性を考慮した移行を望む立場。

どちらとも言えない
エネルギー安定供給と脱炭素の両立が困難であり、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
石炭火力も当面は必要な電源であり、廃止は再エネの導入速度や今後の電力消費量などを慎重に見極める必要があるとする立場。

まったくそう思わない
石炭火力は安価で安定的な電力供給源であり、廃止すべきではないとする立場。

石炭火力発電は完全廃止を目標に掲げるべきだ

将来的に「原発ゼロ」を目指すべきかどうかは、日本のエネルギー政策における重要な論点です。2023年の原発稼働率は28.9％にとどまり、再生可能エネルギーの割合も2022年時点で4.8％と低いです。一方、日本は2040年までに原子力の比率を40％以上とする目標を掲げ、GX（グリーントランスフォーメーション）実現に向けて原子力の最大限活用を明言しています。世界では、フランスが原子力依存度を高く維持する一方、オーストラリアはゼロ、韓国は約3割と対応が分かれています。原発はCO₂を排出しない発電方法として評価される一方、福島事故の記憶から安全性を懸念する声も根強く、放射性廃棄物処理の問題もあります。ウクライナ侵攻によるエネルギー危機を踏まえ、エネルギー安全保障の観点からも議論が必要であり、原発ゼロを目指すか否かは、脱炭素と安全性、安定供給のバランスをどうとるかにかかっています。

非常にそう思う
安全性や廃棄物の問題から、段階的に原発を全廃し社会を築くべきとする立場。

ややそう思う
将来的な脱原発には賛成だが、省エネ施策を課すことによる経済への影響をすべきとする立場。

どちらとも言えない
原発の役割とリスクの評価が難しく、「ゼロ」の是非を判断できないとする立場。

あまりそう思わない
再エネの限界を踏まえ、原発を維持する必要があるとする立場。

まったくそう思わない
安定電源としての役割を評価し、原発はむしろ活用すべきとする立場。

将来的に「原発ゼロ」を目指すべきだ

原子力発電所の新設や次世代革新炉の開発を国として推進すべきかは、GX（グリーントランスフォーメーション）実現に向けたエネルギー政策の中で大きな論点となっています。GXは、化石燃料中心の産業・社会構造を、CO₂を排出しないクリーンエネルギーへと転換する取り組みであり、脱炭素とエネルギーの安定供給を両立させる必要があります。こうした中で、原子力発電は再評価されつつあり、三菱重工による超小型原子炉の開発など、新たな技術への期待も高まっています。一方で、過去の原発事故による安全性への不安や、使用済み核燃料の処理問題など、課題も依然残ります。原子力の位置づけについては、脱炭素と安全確保のバランスをどう取るかが問われており、国民的議論を踏まえた慎重な検討が求められています。

非常にそう思う
AIによる電力需要増加と脱炭素への対応を見据え、安全性の高い革新型原子炉の開発と新設を国が主導すべきとする立場。

ややそう思う
原子力の可能性は評価するが、社会的理解と慎重な検証が必要とする立場。

どちらとも言えない
技術革新と国民の不安の間で判断が難しく、新設の是非を保留する立場。

あまりそう思わない
原発依存を深めることに懸念があり、再エネや化石燃料の活用を通じてエネルギー安定供給を目指す立場。

まったくそう思わない
原発の新設や開発は不要または危険であり、明確に反対する立場。

原子力発電所の新設や次世代革新炉の開発を国として推進すべきだ

再生可能エネルギーの普及を優先するために、設置可能場所の拡大といった規制緩和を進めるべきかどうかは、持続可能なエネルギー政策と地域の実情との調整が問われる論点です。2030年の電源構成目標では再エネ比率が36～38％ですが、2021年度時点で日本の再エネ電力比率は20.3％にとどまり、さらなる拡大が課題となっています。一方、太陽光や風力といった再エネ設備は、広い土地を必要とする場合が多く、特に都市部では用地確保が難しいのが現実です。そのため、設置可能区域の拡大など規制緩和は普及促進の鍵とも言えます。実際、福島では仏企業Saftが出資する大規模バッテリー施設が建設され、変動電源の安定化に向けた取り組みも進んでいます。ただし、景観や自然保護、住民との合意形成といった課題もあるため、規制緩和を進める際には、地域の声を丁寧に反映させた制度設計が不可欠です。

非常にそう思う
脱炭素と地域活性化を推進するため、再エネ設置の障壁を取り除く規制緩和を進めるべきとする立場。

ややそう思う
再エネの導入は重要だが、自然環境や地域住民への配慮も必要とする立場。

どちらとも言えない
再エネ普及と地域保全のバランスが難しく、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
地域の景観や自然環境を重視し、拙速な規制緩和には慎重な立場。

まったくそう思わない
規制緩和により地域環境が悪化することを懸念し、現行制度の維持を支持する立場。

再生可能エネルギーの普及を優先するため、設置可能場所の拡大といった規制緩和を進めるべきだ

日本では現在、同性婚は法的に認められていませんが、2024年以降、東京・福岡・札幌・大阪などの高裁で「同性婚を認めない現行法は憲法違反」とする判決が相次いでいます 。これらの判決は、憲法13条（幸福追求権）、14条（法の下の平等）、24条（婚姻の自由と個人の尊厳）に照らして、同性カップルにも異性カップルと同等の法的保護が必要だと認めたものです。一方で、政府は「憲法上、同性婚は想定されていない」との立場を維持しており、立法の遅れが課題となっています。

非常にそう思う
個人の尊厳と法の下の平等を保障するため、同性婚の実現を強く求める立場。

ややそう思う
権利保障には賛成だが、制度整備には段階的導入を望む立場。

どちらとも言えない
社会的合意形成の必要性を重視し、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
伝統的な家族観を重視し、同性婚には慎重な立場。

まったくそう思わない
家族制度や価値観の変化に反対し、同性婚には明確に反対の立場。

同性婚を認めるべきだ

日本では現在、結婚する際に夫婦は同じ姓を名乗ることが民法で義務づけられています。これに対し、2025年には28年ぶりに「選択的夫婦別姓制度」（正式には選択的夫婦別氏制度）を導入する法案が国会で審議されました。改姓によるキャリアやアイデンティティへの影響を訴える声が強まり、制度導入を求める世論も増えています。一方で、「家族は同じ姓であるべき」とする伝統的な家族観や、「子どもの姓をどうするか」といった懸念から、制度導入に慎重な意見もあります。旧姓の通称使用では限界があるため、法制度としての整備が問われています。

非常にそう思う
個人の選択権を保障し、多様な家族の在り方を認めるべきとする立場。

ややそう思う
賛成だが、戸籍制度への対応や子の氏の問題など解決するための議論・対応の時間が必要とする立場。

どちらとも言えない
一定の理解は示しつつも、別姓となった場合の子どもの氏問題などとのバランスで判断を保留にする立場。

あまりそう思わない
別姓になったときの弊害（子どもの氏、戸籍）が解決していないため、慎重な姿勢を取る立場。

まったくそう思わない
現状の戸籍制度が大きく変わること・子の氏の問題があること・旧姓の使用拡大で問題が解決しているため、夫婦別姓の弊害が大きく、別姓導入に反対の立場。

旧姓の利用拡大にとどまらず、選択的夫婦別姓を実現すべきだ

日本では現在も死刑制度が存続しており、2024年の政府調査では「死刑もやむを得ない」とする国民が約8割に上っています。一方で、誤判の可能性や人権侵害の懸念から、国際社会や国連は日本に対し廃止を勧告しています 。死刑が「残虐な刑罰」に該当するかは憲法36条との関係で議論されており、最高裁は過去に「該当しない」と判断しましたが、再審無罪事件などを受けて見直しを求める声も強まっています 。

非常にそう思う
冤罪のリスクや人権問題を重視し、死刑制度の即時廃止を強く支持する立場。

ややそう思う
死刑制度には否定的であるが、段階的な廃止を支持する立場。

どちらとも言えない
死刑制度には賛否両論あり、判断が難しいと感じる中立的立場。

あまりそう思わない
死刑制度の存続を支持するが、終身刑などへの代替を考慮する立場。

まったくそう思わない
抑止力や被害者感情の観点から、死刑制度の存続を強く支持する立場。

死刑は廃止するべきだ

日本では高齢化が進み、医療技術の発展により延命治療が可能となる一方、患者本人の意思や尊厳をどう守るかが大きな課題となっています。安楽死や尊厳死の法制化は、終末期医療における自己決定権の尊重や、不要な苦痛の回避を目的とするものです。しかし、現行法では自殺幇助や殺人との区別が曖昧であり、医療現場や家族が法的リスクを負います。海外では一定の条件下で法制化が進んでいる国もあり、日本でも社会的議論が高まっています。患者の権利と倫理的課題の両面から、慎重かつ具体的な検討が求められています。

非常にそう思う
本人の尊厳と意思を尊重し、法整備を積極的に進めるべきとする立場。

ややそう思う
制度整備には賛成だが、慎重な議論と社会的理解が必要とする立場。

どちらとも言えない
倫理的・宗教的な問題も含め、判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
安楽死制度には懸念があり、悪用や誤用のリスクを懸念する立場。

まったくそう思わない
命の尊厳を損なう恐れがあるとして安楽死には反対の立場。

安楽死、尊厳死を法制化する方向で検討・議論を始めるべきだ

日本では2023年に「LGBT理解増進法」が成立しましたが、これは理念法であり、差別に対する罰則や救済措置は含まれていません。一方、国連などの国際機関は、日本に対して「差別の定義を明確にし、罰則を伴う包括的差別禁止法」を制定するよう繰り返し勧告しています 。現行法では、差別を受けた被害者が法的に救済される手段が乏しく、実効性に欠けるとの指摘があります。差別禁止法の制定には、表現の自由とのバランスや私人間の関係への介入の是非など、慎重な議論も必要です。

非常にそう思う
差別解消のため法的枠組みが不可欠とし、制定を強く支持する立場。

ややそう思う
抑止力としての法整備には賛成だが、表現の自由との両立を重視する立場。

どちらとも言えない
立法の必要性は理解しつつも、差別の線引きや表現の自由の点から判断を保留する立場。

あまりそう思わない
過剰な規制による自由の制限を懸念する立場。

まったくそう思わない
現行法で十分対応可能として、追加立法には反対の立場。

人種や性的指向などによるあらゆる差別を、罰則付きで禁止する差別禁止法を制定すべきだ

2025年4月、日本では「情報流通プラットフォーム対処法（通称：SNS規制法）」が施行されました。この法律は、月間利用者数1,000万人以上のSNSに対し、有害投稿の迅速な削除、削除件数や基準の公開、ユーザー救済手続きの明示などを義務づけています。背景には、誹謗中傷やフェイクニュース、個人情報の流出といった深刻な問題があります。一方で、表現の自由への影響や、政治的・社会的にセンシティブな投稿が過剰に排除される懸念も指摘されています。

非常にそう思う
誹謗中傷やフェイクニュース対策のため法規制を強く求める立場。

ややそう思う
被害抑止のため一定の規制には賛成だが、自由との両立が前提の立場。

どちらとも言えない
規制の範囲や表現の自由との関係で判断を保留する立場。

あまりそう思わない
現行法やプラットフォーマーの利用規約などで対応すべきとし、法的規制の強化には慎重な立場。

まったくそう思わない
言論の自由を最優先とし、規制の強化に反対の立場。

SNSの法的規制を強化すべきだ

SNSを通じて実行犯を募る「匿名流動型犯罪」が急増し、強盗や特殊詐欺など深刻な事件が相次いでいます。これを受け、2025年から警察は「仮装身分捜査」を導入しました。捜査員が偽の身分証を使って闇バイトに応募し、犯行グループに接触する手法で、実際に逮捕例も出ています 。このような捜査は犯罪抑止に効果がある一方、プライバシーや表現の自由など人権とのバランスが課題です。

非常にそう思う
急増する凶悪・巧妙な犯罪に対し、安全確保のためには一定の人権制約を容認すべきという立場。

ややそう思う
防犯強化の必要性は認めつつも、対象範囲の明確化や監視の適正化を求める立場。

どちらとも言えない
治安と人権のバランスの取り方が難しく、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
治安強化は必要だが、警察権限の拡大には慎重であるべきとする立場。

まったくそう思わない
公共の福祉を理由とした人権制限は濫用されやすいことから、強く反対する立場。

闇バイトなどの匿名流動型犯罪への対処のために、警察の権限拡大が必要で、公共の福祉に反しない範囲での一定の人権制約もやむを得ない

日本の農業は高齢化や担い手不足、耕作放棄地の増加など多くの課題を抱えています。こうした中、企業の農業参入や小規模農場の統合・大規模化は、効率化や生産性向上を図る有効な手段とされています。企業の資本や経営ノウハウを活かすことで、労働力不足の解消や新技術の導入が期待できます。一方で、伝統的な家族農業や地域コミュニティの維持、多様な農産物の生産といった側面にも配慮が必要です。効率化と地域の持続可能性を両立させるため、政策的な支援やバランスの取れた推進が求められています。

非常にそう思う
農業の持続可能性と競争力強化のため、企業参入や大規模化を積極的に推進すべきとする立場。

ややそう思う
効率化は重要と考えるが、地域社会や小規模農家への配慮も必要とする立場。

どちらとも言えない
効率と地域維持の両立が難しく、大規模化の是非を判断しきれないとする立場。

あまりそう思わない
地域の多様性や食の安全を守るため、大規模化には慎重な立場。

まったくそう思わない
企業主導の農業や大規模化は農村崩壊につながるとして、明確に反対する立場。

農業の効率化のため、企業の農業進出や小さな農場の統合・大規模化を推進すべきだ

2024年以降、日本ではコメの収穫量減少と需要増加により価格高騰・品薄状態が続いています。政府は備蓄米の放出や一部緊急輸入で対応していますが、十分な即効性や量を確保するのは難しい状況です。こうした中、価格安定と消費者保護のため、一時的なコメの輸入枠拡大を検討することが論点となっています。輸入拡大は供給不足の緩和や価格安定に寄与する一方、国内農家への影響や国際市場のリスクも考慮が必要です。緊急措置としての輸入枠拡大は、家計や食の安全保障を守るための有効な選択肢の一つといえるでしょう。

非常にそう思う
価格高騰や不足リスクがある以上、消費者保護の観点から早急に輸入枠の拡大を検討・実施すべきとする立場。

ややそう思う
市場の逼迫状況を見極めた上で、緊急時には一時的な輸入枠拡大も選択肢に入れるべきとする立場。

どちらとも言えない
価格安定は重要だが、輸入に頼ることが国内農家に与える影響を考えると判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
一時的であっても輸入に依存するのは、農家の生産意欲を削ぎ、長期的には価格の不安定化を招くとする立場。

まったくそう思わない
国内の需給調整や備蓄米の活用を優先すべきであり、輸入拡大は農業保護の観点から認めないとする立場。

コメ価格の安定供給のため、一時的な輸入枠拡大を検討すべきだ

コメ農家の戸別所得補償制度は、農家ごとに生産量や収入の下支えを行う仕組みです。日本では2010年、民主党政権下で「戸別所得補償制度」として導入されましたが、その後廃止されました。これは、米価の下落や市場の変動から農家を守り、安定した生産を維持する目的がありました。しかし、この制度には財政負担の増大や農業の競争力低下を懸念する声もあります。現行制度では、農家への直接支援は縮小傾向にあります。戸別所得補償制度の導入は、農家の安心につながる一方、財政負担や自立促進の観点からも議論が続いています。

非常にそう思う
高齢化・後継者不足が進む中、農業を守るには安定的な所得支援が不可欠だとする立場。

ややそう思う
一定の支援は必要だが、過保護にならないよう制度設計が重要とする立場。

どちらとも言えない
支援の方向性には賛成だが、財源や効果には疑問もあるため判断がつかないとする中立的立場。

あまりそう思わない
市場メカニズムをゆがめ、農家の自立を阻害する恐れがあるとする立場。

まったくそう思わない
財政負担が大きく、不公平感もあるため個別保証制度には反対する立場。

コメ農家の戸別補償制度を実施すべきだ

日本では減反政策や農家の高齢化によりコメの生産量が減少していますが、2024年以降は観光客の増加やパン・麺類の価格高騰を受けてコメ需要が拡大し、2025年には5kgあたり4,000円を超える高値・品薄状態となりました。こうした中、政府は「備蓄米」（国が管理するコメの備蓄）の放出を決定しました。今後は備蓄量の拡大や、コメ不足時に迅速かつ柔軟に市場へ放出できる流通制度の改革が重要です。備蓄米は非常時の食料安定供給を目的とし、家計や食の安全保障を守る政策的役割がますます高まっています。

非常にそう思う
災害・物価高の備えとして、備蓄の機動性強化と制度改革は不可欠とする立場。

ややそう思う
制度改善は必要だが、過剰な国主導より民間連携も重視すべきとする立場。

どちらとも言えない
必要性はあるが、どの程度の改革が妥当か判断がつかないとする中立的立場。

あまりそう思わない
現行制度である程度対応できており、大規模改革の優先度は低いとする立場。

まったくそう思わない
政府備蓄に依存するよりも、市場メカニズムを重視した方が合理的だとする立場。

備蓄米は、コメの不足時に柔軟に対応できるよう、その分量の拡大や放出方法の制度・流通改革を進めるべきだ

IR（統合型リゾート）とは、カジノを含むホテルや国際会議場、ショッピングモールなどが一体となった大型観光施設です。日本では2016年にIR推進法が成立し、大阪などで誘致計画が進められていますが、現時点で開業したIRはありません。IRの推進には、観光客の増加や地域経済の活性化、雇用創出などの利点が期待される一方、ギャンブル依存症や治安悪化といった懸念も指摘されています。国として推進する際は、厳格な規制や依存症対策を講じることが重要な論点となっています。

非常にそう思う
観光収入や地域活性化、税収拡大を期待し、国として推進すべきとの立場。

ややそう思う
経済効果を見込みつつも依存症対策や治安への配慮も必要と考える立場。

どちらとも言えない
賛否の分かれるテーマで判断が難しいとする中立的立場。

あまりそう思わない
社会的コストや依存症懸念から慎重な姿勢を取る立場。

まったくそう思わない
倫理的・治安的理由からカジノ政策に一貫して反対の立場。

カジノを含むIR（特定複合観光施設）の誘致・新設は国として推進するべきだ

日本はこれまで防衛費をGDPの1％未満に抑えてきましたが、ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、NATOの目標を参考に2027年度までにGDP比2％となるよう防衛予算の拡大を進める方針を打ち出しました。2022年度は5兆4,000億円、2023年度は6兆8,000億円、2024年度は7兆9,000億円と、ほぼ1兆円ずつ増額しています。2025年度は前年度比9.4％増の8兆7,005億円となる予定です。関連した予算も含めると、2022年度のGDPの約1.8％ほどになっています。

非常にそう思う
昨今の国際情勢の潮流や地域の脅威に対応するため、防衛費をGDP比2％以上に拡充すべきとする立場。

ややそう思う
必要最小限の増額には理解を示すが、財政健全性や用途の精査を前提とする立場。

どちらとも言えない
外交と防衛のバランスを考慮し、防衛費の増減について判断を保留する立場。

あまりそう思わない
社会保障や教育など他の予算を優先すべきで、防衛費の拡大には慎重な立場。

まったくそう思わない
軍備拡張による緊張激化や財政負担を懸念し、防衛費増額に反対する立場。

防衛費を政府目標のGDP比2％からさらに増やすべきだ

安全保障上重要な産業分野への外国企業の参入をどこまで制限すべきかは、国家の安全と経済の自由との間で慎重な調整を要する論点です。日本では、外国為替及び外国貿易法（外為法）や経済安全保障推進法を通じて、安全保障に関わる分野への外国資本の関与に一定の制限を設けており、近年では半導体・通信・エネルギーなどを対象に監視を強化する動きが進んでいます。米中対立や地政学的リスクの高まりを背景に、先端技術やインフラの保護を求める声がある一方、外国企業の参入制限が過度になれば、投資減少や市場競争の停滞を招き、経済成長を損なうおそれもあります。安全保障を優先しつつ、経済の開放性をいかに維持するかが、今後の政策設計における鍵となります。

非常にそう思う
技術流出や外資による経済的脅威を防ぐため、厳格な規制を法制化すべきとする立場。

ややそう思う
安全保障上の重要分野には一定の制限が必要だが、過度な外資排除は避けるべきとする立場。

どちらとも言えない
外国資本の受け入れと技術保護のバランスが難しく、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
投資環境や国際関係への影響を重視し、規制強化には慎重な立場。

まったくそう思わない
外資排除は自由経済に反し、日本経済の成長を損なうことから明確に反対する立場。

安全保障上重要な産業分野への外国企業の参入を制限する法整備を強化すべきだ

サイバー攻撃への対応として、警察などが攻撃元を先制的に無力化する「能動的サイバー防御」の必要性は、国家の安全と個人の権利保護の間で慎重な検討を要する論点です。近年、サイバー攻撃は巧妙化・深刻化しており、被害の未然防止が急務となっています。日本では法律の整備により、内閣サイバーセキュリティセンターを中心とした新体制の構築が進められていますが、能動的対処には相手サーバーへの侵入など、通信の秘密や法的権限との整合性が課題となっています。また、技術面でも完全な防御は困難であり、国際的な連携が不可欠とされています。国家の安全確保と市民の権利保護をどのように両立させるかが、今後の鍵となります。

非常にそう思う
国家・社会インフラを守るため、積極的にサイバー攻撃を無力化する先制的手段は必要とする立場。

ややそう思う
サイバー防御の強化は必要と考えるが、国際法や民間への影響を考慮しつつ段階的導入を求める立場。

どちらとも言えない
技術的妥当性と法的・倫理的懸念のバランスが難しく、現時点では判断を保留する立場。

あまりそう思わない
私権侵害や報復リスクなどの懸念から、積極的な防御強化には慎重な立場。

まったくそう思わない
能動的サイバー防御は憲法や国際法に抵触する恐れがあり、導入に明確に反対する立場。

警察など国の機関がサイバー攻撃を先制的に無力化等ができる能動的サイバー防御は必要だ

日本は2022年、敵基地攻撃能力や反撃能力を内容とする安保3文書を閣議決定しました。極超音速兵器や飽和攻撃など、世界的にミサイルの運用能力、ミサイルの質や量がともに劇的に向上する中で、日本政府は自国の既存のミサイル防衛網に加え、武力攻撃自体を抑止し、国民の命と生活を守るために反撃能力の必要性を説いています。一方で、こうした反撃能力に対して、日本の軍備を制限する憲法9条との整合性が問われており、敵基地攻撃が自衛の範囲に含まれるのかどうか、議論が生じています。

非常にそう思う
日本の抑止力強化と安全保障確保のため、反撃能力（敵基地攻撃能力含む）を維持・強化すべきとする立場。

ややそう思う
周辺国の脅威に備える意味で一定の反撃能力は必要だが、運用や範囲は限定的にすべきとする立場。

どちらとも言えない
日本の平和主義と現実的防衛政策の間で、反撃能力の保有について明確な判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
軍事的緊張を高めるリスクや専守防衛の逸脱を懸念し、慎重であるべきとする立場。

まったくそう思わない
憲法9条に反していることから、反撃能力の保有には明確に反対する立場。

日本は今後も反撃能力（敵基地攻撃能力）を持ち続けるべきだ

日本はこれまで有償・無償合わせて約1.7兆円（約15億USD）の支援を行い（例：INSPIRE等の世界銀行プロジェクト）、さらにG7主導のERA枠組みで凍結ロシア資産を担保に4,719億円（約30億USD）の円借款融資も決定済です。技術協力面ではJICA等を通じたインフラ再建支援も進行中。一方、日本は武器供与を行わない制約の下、融資比重が高く、返済リスクや対ロ関係への影響が論点となっています。今後、日本がより積極的な役割を果たすべきかが議論の焦点となります。

非常にそう思う
法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を擁護する観点から、日本が積極的に資金・技術両面でリーダーシップを発揮すべきとする立場。

ややそう思う
国際連携は重要と考えるが、国内事情や財政負担を踏まえて、段階的・限定的な支援にとどめるべきとする立場。

どちらとも言えない
昨今の米国による国際政策の転換などを鑑みると、国際貢献の重要性と財政負担のバランスは悩ましいとする立場。

あまりそう思わない
国内優先の視点から、海外への多額の支援には慎重であるべきとする立場。

まったくそう思わない
他国紛争への深い関与は不適切と考え、日本の積極関与には反対する立場。

ウクライナ復興支援において、日本が国際社会をリードする形で積極的に資金・技術協力を行うべきだ

日本が中国との関係を改善・深化させるべきかは、経済的利益と安全保障上の懸念との間で複雑な判断が求められる論点です。中国は2007年以降、日本にとって最大の貿易相手国であり、経済面での強い相互依存関係があります。一方で、尖閣諸島をめぐる領有権問題や台湾有事への懸念、歴史認識をめぐる対立など、両国間には緊張の火種も多く存在します。こうした中、日本は中国との経済関係を維持しつつ、リスクに備えたサプライチェーンの多様化など安全保障面での対応も進めています。1972年の日中国交正常化以降、対話と協調の歴史もあることを踏まえ、対立と依存の両面をにらんだ柔軟な関係構築が今後の課題となります。

非常にそう思う
地域安定と経済協力のために、対話・連携を積極的に強化すべきとする立場。

ややそう思う
安定的関係の維持は重要と考えるが、安全保障や人権問題にも一定の懸念を持つ立場。

どちらとも言えない
経済依存と安全保障のバランスが難しく、関係深化には慎重な立場。

あまりそう思わない
領土問題や人権問題への対応を重視し、関係改善には条件が必要とする立場。

まったくそう思わない
中国の行動は日本の国益を損ねるものであり、関係強化には反対する立場。

中国との関係を改善・深化させていくべきだ

日本が日韓関係の改善に向けてさらなる努力を重ねるべきかは、歴史認識と外交的現実の両面から慎重な判断が求められる論点です。日韓は1965年の日韓請求権協定により、戦後補償を「完全かつ最終的に解決した」とする立場を日本側はとっていますが、韓国では徴用工問題や慰安婦問題に関し、個人の請求権は残っているとの認識が根強いです。また、竹島の領有権をめぐる対立や、韓国新政権の対日姿勢も関係に影響を及ぼしています。一方で、経済・安全保障の分野では協力の必要性が高まっており、相互理解のもとで対話を続けることが両国にとって不可欠です。歴史問題の克服と未来志向の関係構築をいかに両立させるかが今後の焦点となります。

非常にそう思う
慰安婦や徴用工問題といった日韓間の問題につき、引き続き日本政府や企業が反省と努力を行うことが日韓関係の未来のために不可欠であるとする立場。

ややそう思う
日本側の過去への反省は引き続き必要だが、韓国側の対応にも何らかの改善・譲歩が求められるとする立場。

どちらとも言えない
両国の主張が平行線をたどっており、改善の方向性について判断がつかない立場。

あまりそう思わない
過去の謝罪や支援は十分行われたと考え、未来志向の発展・関係構築を目指すべきとの立場。

まったくそう思わない
日本はすでに責任を果たしており、これ以上の関与は不要であるとする立場。

日韓関係について、日本は過去の反省を重ね、韓国との関係改善へのさらなる努力を行うべきだ

日本と台湾は友好関係にあり、深い経済関係で結ばれています。昨今では中国による台湾への武力侵攻、いわゆる台湾有事への備えの必要性が叫ばれ、緊張が高まっています。実際に、台湾有事の際には日本人の安全確保が問題となるほか、物流や企業の保全にまで危険が及ぶとされています。最近では台湾有事の際、沖縄県の先島諸島5市町村の住民12万人らを避難させる初期計画が立案されるなど、具体的対策が深化しています。一方で、中国側の見方では台湾との関係は国内問題であるため、こうした台湾有事への備えは日中関係の悪化につながるとする見解も存在します。日本が今後どのような安全保障政策を行うのかが注目されています。

非常にそう思う
地理的・軍事的に密接な関係にあり、台湾有事は必然的に日本の安全保障に重大な影響を及ぼすとする立場。

ややそう思う
台湾有事の影響は大きいと考えるが、日本有事に必ずしもつながるわけではないとする立場。

どちらとも言えない
中国・台湾・日米関係など複雑な要素が絡むため判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
日本が当事者となることのリスクを考慮し、過度な連動論には慎重な立場。

まったくそう思わない
台湾問題は中国との問題であり、日本に直接関係はないとする立場。

台湾有事は直ちに日本有事に直結するから、対応できるような備えを政府は整えるべきだ

北朝鮮への圧力を継続または強化すべきかどうかは、拉致問題の進展や朝鮮半島の非核化という目標をめぐって意見が分かれる重要な論点です。日本政府は、兵器拡散・資金洗浄・違法船舶の取締りなどを通じて一定の圧力を加えており、これには国際的な制裁措置との連携も含まれています。一方で、北朝鮮は近年も日本海に向けての弾道ミサイル発射を繰り返しており、情勢の緊張は続いています。拉致被害者の未帰還が続く中、圧力強化を主張する声がある一方で、制裁のみによる解決には限界があり、対話による外交的打開を重視すべきとの意見も根強いです。圧力と対話のバランスをいかに取るかが、今後の鍵となります。

非常にそう思う
拉致問題や核・ミサイル開発に対抗するため、国際連携のもとで圧力強化を続けるべきとする立場。

ややそう思う
対話の余地を残しつつも、抑止のために一定の制裁・圧力は維持すべきとする立場。

どちらとも言えない
圧力と対話のバランスが重要であり、一方的な対応には判断を保留する立場。

あまりそう思わない
圧力一辺倒では解決につながらないと考え、柔軟な対話路線を模索すべきとする立場。

まったくそう思わない
圧力強化は事態の悪化を招くだけであり、対話を中心にすべきとする立場。

拉致問題の解決や朝鮮半島非核化実現のため、北朝鮮への圧力を継続し、またはさらに強めるべきだ

日米地位協定は、在日米軍の法的地位や権利義務を定めた協定であり、1952年の発効以来、主に日本国内での米軍の活動や事件・事故発生時の取り扱いについて、不平等性が指摘されてきました。特に米軍関係者の刑事裁判権や基地の環境管理に関して、日本側の主権が十分に及ばないとの批判があります。近年、沖縄を中心に米軍基地由来の事故や環境問題が相次ぎ、住民の不満や改定要求が高まっています。一方、日米安保体制の維持や安全保障環境の変化もあり、政府は慎重な姿勢を取っていますが、国民の安全や主権尊重の観点から、協定の見直しを求める声は根強く存在しています。

非常にそう思う
日本の主権確保と国民の権利保護のため、協定の不平等性を是正すべきとする立場。

ややそう思う
改定の必要性は認めるが、同盟関係の安定を重視し、交渉の時期や方法に慎重な立場。

どちらとも言えない
地位協定の課題は理解しつつも、改定による影響を総合的に見極めたいとする立場。

あまりそう思わない
協定は運用改善で対応可能と考え、全面改定には否定的な立場。

まったくそう思わない
同盟維持のために現行協定を維持すべきであるとし、改定には反対する立場。

日米地位協定は不平等なものだから、直ちに改定をアメリカに提起すべきだ

現在、沖縄県宜野湾市に位置する米軍の普天間基地を同県辺野古に移設するための工事が進められています。普天間基地は周囲に住宅地や学校が位置することから、かつてより世界一危険な基地ともいわれています。これまで墜落事故や部品落下の事故も発生しただけでなく、日常的に騒音問題が起こっています。一方、辺野古移設に当たっては海岸の埋立工事が必要となり、自然生態系への懸念が発生しています。こうした移設の是非については、県と国だけでなく県と市でも見解が分かれています。2019年には県民投票が行われ、約7割が辺野古基地移設に反対しましたが、今のところ国は移設の方針を変えていません。県は普天間基地の返還と県外移設を主張し、辺野古移設以外の解決策がないとして今もなお工事を進める国と対立する構えを見せています。

非常にそう思う
普天間基地の危険除去と日米同盟の安定のため、辺野古移設を着実に進めるべきとする立場。

ややそう思う
地元の反対に配慮しつつも、安全保障上の必要から移設を支持する立場。

どちらとも言えない
安全保障と地元民意の対立が大きく、移設の是非について判断を保留する立場。

あまりそう思わない
環境破壊や住民の反対を重く見て、他の代替案を模索すべきだとする立場。

まったくそう思わない
民意を無視した辺野古移設に強く反対し、計画の撤回を求める立場。

現在の政府方針である辺野古への普天間基地移設を進めるべきだ

核兵器禁止条約に日本が何らかの形で参加すべきかどうかは、安全保障と核廃絶の理念とのはざまで揺れる重要な論点です。日本は現在、条約に署名も批准もしておらず、背景には米国の「核の傘」に依存した安全保障体制があります。条約に参加すれば、核抑止力に距離を置く姿勢を示すことになり、地域の安定に悪影響を与えるとの懸念もあります。一方、被爆国として核兵器廃絶を訴え続けてきた歴史的立場から、条約に関与しない日本の姿勢には国内外から批判もあります。日本原水爆被害者団体協議会のように国際社会で高く評価される運動もある中、日本がどのような形で「核なき世界」に貢献するかが、今後の大きな課題となっている。

非常にそう思う
被爆国としての道義的責任から、核廃絶に向けた国際的枠組みに即時参加すべきとする立場。

ややそう思う
参加の意義は理解するが、安全保障環境や同盟国との関係も踏まえ段階的対応を求める立場。

どちらとも言えない
核廃絶と安全保障のバランスが難しく、参加の是非を判断しかねる立場。

あまりそう思わない
現在の国際情勢では条約参加は時期尚早であり、他の核軍縮措置を優先すべき立場。

まったくそう思わない
核抑止力が必要であり、条約参加は日本の安全保障を損なうとして反対する立場。

核兵器禁止条約に政府は何らかの形で直ちに参加すべきだ

防衛装備の輸出や他国との共同開発を積極的に推進すべきかは、安全保障体制の強化と国際責任のあり方を問う重要な論点です。日本は現在、英国・イタリアとの次世代戦闘機の共同開発（GCAP）など官民連携によるプロジェクトを進めており、首相も国際協力の重要性を強調しています。また、防衛装備移転三原則に基づき、輸出には厳格な審査と管理が義務づけられています。一方で、防衛装備の輸出拡大が国際紛争を助長する懸念や、憲法との整合性を問う声も根強く存在します。実績や信頼面で日本はなお発展途上にあり、市場競争力の確保も課題となっています。平和主義を維持しつつ、国際社会でどのように安全保障協力に関わるかが、今後の重要な検討課題です。

非常にそう思う
国際共同開発や輸出を通じて日本の防衛産業を強化し、経済・技術両面での競争力を高めるべきとする立場。

ややそう思う
経済効果や国際連携の利点を認めるが、輸出先や装備の用途には制限を設けるべきとする立場。

どちらとも言えない
技術発展と平和主義の間でバランスが難しく、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
武器輸出が外交的・倫理的問題を招く可能性があることから、拡大には慎重な立場。

まったくそう思わない
武器輸出は平和国家の理念に反するとして、積極的推進に明確に反対する立場。

防衛装備輸出や他国との共同開発は積極的に推進すべきだ

中国との経済的依存を減らすためにサプライチェーンの多様化を進めるべきかは、経済効率と安全保障のバランスに関わる重要な論点です。日本政府は、経済安全保障推進法に基づき、半導体や重要鉱物などを「特定重要物資」として指定し、供給網の強靱化に取り組んでいます。2025年には、日本と台湾の企業が連携団体を設立し、半導体分野での協力体制を強化する動きも見られます。一方で、中国との経済的つながりを急激に断てば、短期的なコスト増や供給混乱のリスクもあります。とはいえ、地政学的な緊張が高まる中で、一極依存を避け、代替供給先を確保することは中長期的なリスク管理として重要であり、どの分野でどの程度多様化を進めるべきかが今後の焦点となります。

非常にそう思う
安全保障や経済リスク管理の観点から、中国依存を減らし、供給先の分散を進めるべきとする立場。

ややそう思う
多様化の必要性は理解するが、経済的影響や国際協調の観点から段階的対応を望む立場。

どちらとも言えない
安全保障と経済利益の両立が難しく、多様化の程度について判断を保留する立場。

あまりそう思わない
中国との経済関係の深さを重視し、急激な見直しには慎重な立場。

まったくそう思わない
相互依存が平和維持にも寄与しており、特定国との分断を進めるべきではないとする立場。

中国との経済的依存を減らすため、サプライチェーンの多様化を進めるべきだ

憲法改正を現時点で行うべきかどうかは、憲法の意義や政治状況をめぐって意見が大きく分かれる論点です。現在、与党は緊急事態条項の新設や自衛隊の明記を中心に改正を提案しており、特に有事の際に国会の機能を維持するため、議員任期の延長を可能とする案も衆議院憲法審査会で議論されています。一方、野党の多くは立憲主義の立場などから慎重な姿勢を取っており、国論の分断を懸念する声もあります。日本国憲法は硬性憲法であり、一度も改正されたことがなく、改正には衆参両院で総議員の3分の2の賛成と国民投票での過半数支持が必要です。

非常にそう思う
現行憲法は十分に機能しており、政治的安定や国民の権利保護のために改正自体を避けるべきとする立場。

ややそう思う
一部改正の必要性に関する議論の余地は認めるものの、その是非を問う慎重な議論展開を求める立場。

どちらとも言えない
改正の必要性や時期について賛否両論があり、現時点で明確な判断を保留する立場。

あまりそう思わない
内容次第では現状維持もあり得るが、改正議論は積極的に進めるべきとする立場。

まったくそう思わない
時代に即した憲法とは何たるかを議論すべきと考え、改正自体には積極的に賛成する立場。

憲法改正は、その改正内容が何であれ、現在の時点では行うべきではない

憲法に自衛隊の存在を明記すべきかどうかは、日本の安全保障や憲法原理に照らして激しい論争があるところです。最近の衆議院憲法審査会で見られたように、与党は自衛隊違憲論の論調をなくすために明記を主張しています。一方、野党側では戦力不保持・交戦権否認の原則を掲げる憲法9条の法的拘束力が失われる危険などの理由から、これに反対する声も大きいです。国民の理解と合意の形成が今後の課題となります。

非常にそう思う
自衛隊や軍隊を明記すべきとする立場。

ややそう思う
積極的に議論すべきだが、憲法第9条以外の改正で明記するなど、自衛隊等について積み重ねられた憲法解釈を損なわない検討が必要とする立場。

どちらとも言えない
自衛隊の明記による法的安定と平和主義の理念との間で、判断が難しいとする立場。

あまりそう思わない
現行憲法下で自衛隊は十分に認められており、あえて明記する必要はないとする立場。

まったくそう思わない
憲法に自衛隊を明記することは、軍備拡張や戦争容認につながる恐れがあるとして反対する立場。

憲法に、自衛隊や軍隊の存在を明記するべきだ

憲法に緊急事態条項を加えるべきかどうかは、既存法制度の有効性と権力の制限に関する議論を含む重要な論点です。与党は大規模災害や武力攻撃などの有事において、国会の機能維持や内閣の対応力を高めるため、憲法上に緊急事態条項を設けることを提案しています。これに対し、野党の多くは、災害対策基本法など既存の法体系で対応可能であるとし、憲法に明記すれば内閣に過度な権限を与え、政府の暴走につながるおそれがあると警戒しています。最近の世論調査では緊急事態条項への反対が賛成を上回る結果が出ており、制度の必要性と憲法上の制約の在り方をどう考えるかが、今後の議論の焦点となります。

非常にそう思う
現行法で必要な対応は可能であり、憲法改正による政府権限の拡大には反対する立場。

ややそう思う
緊急時の対策は必要だが、現行法での対応を基本とし、改憲には慎重な立場。

どちらとも言えない
政府の対応力と国民の権利保護のバランスに悩み、判断を保留する立場。

あまりそう思わない
現行法だけでは不十分な場面も想定され、限定的に憲法改正を検討すべきとする立場。

まったくそう思わない
緊急事態への迅速対応のために、憲法に明確な規定を設けるべきとする立場。

大災害や侵略といった緊急事態の際に国ができる緊急手段を定めた条文（いわゆる緊急事態条項）は憲法にないが、現在の法律でも十分対処できるから憲法改正は不要だ

日本は現在のところAI技術自体に罰則のある規制は行っていません。悪質な事案については既存の法令で対応するほか、悪質な事業者や研究機関の公表によって抑制を図っています。技術の変化に法規制が追いつかないという認識も踏まえ、AI活用にあたっては安全性や公平性など多くのリスクがあることを認識しつつ、規制と発展の両立を目指す姿勢を示しています。直近では「人工知能関連技術の研究開発及び活用の推進に関する法律案」が閣議決定され、これによりAI分野について官民連携のもと、研究支援や人材育成を通じて技術革新を後押しする方針が明らかになりました。技術の悪用があった場合には調査の上で指導することで対応する旨も発表されています。発展するAI技術への法的規制の是非が論点となっています。

非常にそう思う
AIの発展に強い懸念を持ち、技術進展よりも社会的リスクの抑制を重視する立場。

ややそう思う
AIの成長に一定の理解はあるが、社会的制限も必要だと考えるする立場。

どちらとも言えない
AIの規制について慎重な立場。利便性とリスクのバランスに悩んでいる立場。

あまりそう思わない
AI規制にはやや否定的で、できる限り自由な技術開発を優先したいとする立場。

まったくそう思わない
イノベーションや競争力を損なう懸念があるためAIへの規制に反対する立場。

人工知能（AI）の発展は社会に大きな悪影響ももたらしかねないため、法律で強い規制を加えるべきだ

ライドシェアを積極的に推進すべきかどうかは、移動の利便性向上と安全・制度面の整備をどのように両立させるかが問われる論点です。日本では2024年にライドシェアが一部地域で解禁され、過疎地や移動手段に乏しい地域の「移動難民」対策として期待されています。国土交通省の管理のもと、タクシー事業者が運行を担う形で導入が進められていますが、地方によって利用の広がりには差があります。一方で、安全性や事故時の責任、ドライバーの待遇といった課題も残されており、制度の安定と社会的理解が不可欠です。移動の自由を保障しつつ、持続可能な形でサービスを展開できるかが今後の焦点となります。

非常にそう思う
交通空白地の解消や労働力不足対策としてライドシェア解禁を強く支持する立場。

ややそう思う
利便性や移動の選択肢が広がる点を評価しつつ、安全対策や既存業界との調整を前提に段階的導入を支持する立場。

どちらとも言えない
移動の自由とタクシー業界の保護、安全性の確保とのバランスに難しさを感じ、現時点で明確な判断を控える立場。

あまりそう思わない
タクシー業界の雇用や公共交通の維持、安全面への影響を懸念し、慎重な制度設計と限定的な導入を求める立場。

まったくそう思わない
雇用の不安定化や事故リスク、地域交通の乱れなどを強く懸念し、ライドシェアの導入に明確に反対する立場。

ライドシェアは積極的に進めるべきだ

リニア中央新幹線は、交通の二重系化と経済の発展を目的に建設されている新幹線であり、東京と名古屋、大阪間を結びます。新技術により、これまでにない高速移動が実現される見込みです。一方で、水問題や地盤沈下をはじめとした自然環境への影響が懸念されているほか、住民との合意形成など様々な問題も生じています。実際に静岡県や岐阜県などで問題が発生し、各地で工事の遅れが起こった結果、2027年の開業は断念され、2034年以降の開業となる見通しです。

非常にそう思う
高速移動インフラの整備による経済波及効果や地域間連携強化を重視し、リニア工事を早期に推進すべきとする立場。

ややそう思う
未来の交通基盤としての意義は認めつつ、環境や地元合意形成の課題も考慮して段階的な推進を支持する立場。

どちらとも言えない
環境影響や費用対効果、地域の賛否が分かれる中で、現時点では判断を留保する立場。

あまりそう思わない
財政負担や環境への悪影響を慎重に見極め、国民・住民への説明と納得が大前提とする立場。

まったくそう思わない
環境破壊や費用対効果の乏しさを理由に、リニア建設そのものに反対する立場。

リニア中央新幹線の工事は促進するべきだ

現在、日本は対外貿易において様々な規制を設けています。例えば、外為法による規制のほか、軍事転用のリスクが高い物品や技術を規制リストにまとめ、厳格に管理しています。これらは主に先端素材や精密な工作機械が指定されており、海外移転には原則として経済産業大臣の許可が必要です。さらに最近では、日本が優位性を持つ技術の流出を防ぐため、電子部品や半導体など10分野で海外への技術移転に報告義務を課す改正省令案が公表され、年内にも施行される見通しです。現行法令にも罰則付きの制限はありますが、その具体的な規制のあり方や貿易の公平性が問われています。

非常にそう思う
安全保障や経済競争力の観点から、重要技術の国外流出を防ぐため厳格な法規制を導入すべきとする立場。

ややそう思う
技術流出のリスクを踏まえた適切な抑制策は必要だが、過剰規制による国際協力への悪影響も懸念する立場。

どちらとも言えない
技術保護の必要性と、国際連携・投資環境への配慮の両面から、判断を留保する立場。

あまりそう思わない
民間の国際展開や技術交流の自由を重視し、一律の法的規制には慎重な立場。

まったくそう思わない
技術の国際移転は自由貿易の一環と考え、罰則による制限には明確に反対する立場。

特定技術の海外移転を罰則付きで制限すべきだ

マイナンバー制度は、国民一人ひとりに12桁の番号を割り当て、社会保障や税、災害対策などの行政手続きで本人確認を効率化するための制度です。公金受取口座の紐付けや運転免許証など、さまざまな公的サービスのマイナンバーカードへの統合が進められており、現在は人口の約78％がマイナンバーカードを取得しています。一方で、こうした機能統合に関しては個人情報の漏洩や紛失時のリスクなど、さまざまな懸念も存在します。デジタル庁はこうした不安の解消に努めるとともに、さらなるマイナンバー普及を目指しています。

非常にそう思う
公的サービスの効率化・利便性向上のため、マイナンバー統合を迅速に進めるべき立場。

ややそう思う
統合の方向性は評価するが、個人情報保護やセキュリティ面への慎重な対応を求める立場。

どちらとも言えない
行政効率とプライバシーのバランスに難しさを感じており、判断を留保する立場。

あまりそう思わない
プライバシー侵害や管理ミスの懸念から、統合には慎重な対応が必要とする立場。

まったくそう思わない
情報漏洩や国家による過度な管理を懸念し、マイナンバー統合に明確に反対する立場。

公金受取口座や運転免許証など、あらゆる公的サービスへのマイナンバー統合を加速すべきだ

現在、国民生活の利便性向上と自治体の行政手続き効率化を目的として、関係省庁との連携のもと、行政のデジタル化が急速に推進されています。「デジタル社会の実現に向けた重点計画」では、高齢者や障害者など、デジタルサービスの利用に不安を感じやすい層にも配慮することが明記されています。しかし、実際には高齢者のスマートフォンやパソコンの利用率は若年層に比べて低く、例えば総務省の調査（令和4年通信利用動向調査）によると、60代のスマートフォン利用率は約80%ですが、70代では約60%、80歳以上では30%台にとどまっています。また、デジタルサービスの操作に不安を感じる高齢者も多く、情報端末の利用や個人情報の保全に対する懸念も根強く残っています。こうした現状を踏まえ、今後はデジタル化のスピードと普及状況のギャップを埋めるための対策が一層求められています。

非常にそう思う
高齢者や弱者への配慮、不十分なセキュリティ対策を理由に、現在のデジタル化政策決定のスピードに明確に反対する立場。

ややそう思う
デジタル化推進の必要性は理解しつつも、導入のペースや対象範囲について慎重さを求める立場。

どちらとも言えない
デジタル化推進の必要性とデジタル格差の課題を両方理解しており、判断を留保する立場。

あまりそう思わない
行政効率やサービス向上のために、現状のデジタル化の流れを基本的に支持する立場。

まったくそう思わない
デジタル化は不可避かつ急務と考え、むしろ一層加速させるべきであるとする立場。

高齢者など情報端末に疎い人への配慮や情報保全確保のため、行政デジタル化は慎重に進めるべきであり、現在の政策決定のスピードは速すぎる

国会議員の定数は現在、衆議院465人、参議院248人と定められています。定数削減論は、議員にかかるコストの削減や、議員にとって不都合な政策を率先して行うことで国民の政治不信に応えることなどが目的とされることが多いです。一方で、定数を減らすと少数意見や地域の声が国政に届きにくくなるおそれがあります。

非常にそう思う
政治改革とコスト削減のため定数削減を強く支持する立場。

ややそう思う
選挙区や比例区の意見反映なども考慮すべきとする立場。

どちらとも言えない
代表性と効率のバランスが難しいとする中立的立場。

あまりそう思わない
少数意見の反映低下を懸念し慎重な立場。

まったくそう思わない
定数増加も念頭に置いた多様な民意の反映の仕方について議論を行うべきとする立場。

国会議員の定数を削減すべきだ

政治資金パーティーは、政治家が資金を得る手段の一つで、チケット販売収入が主な収入源です。日本では、政治資金規正法に基づき政治資金収支報告書に収支を記載する義務がありますが、2023年以降、ある党の特定の派閥が、収支の一部を報告書に記載せず「裏金」化していたことが問題となりました。2024年の法改正では罰則強化が図られましたが、パーティー自体は禁止されませんでした。禁止論には政治と金の問題の解消が期待される一方、政治活動の財源確保や表現の自由との関係もあり、代替策の有無が議論の焦点となっています。

非常にそう思う
不透明な資金調達を防ぐためパーティー禁止を強く支持する立場。

ややそう思う
段階的な禁止や、企業・団体によるパーティー券購入のみ禁止など、全面禁止ではないものの一定の制限を設けるべきとする立場。

どちらとも言えない
資金確保と透明性確保の両立に悩む中立的立場。

あまりそう思わない
情報開示義務など一定の制限は加えつつ、基本的にはこれまで通り認めるべきとする立場。

まったくそう思わない
政治活動の自由の一環として禁止に反対する立場。

政治資金パーティーの開催を禁止すべきだ

衆議院の小選挙区制は、1994年に導入された制度で、1つの選挙区から1人を選ぶ方式です。それまでは、1つの選挙区から複数人を選ぶ中選挙区制を採用していましたが、この制度は政治とカネの問題を深刻化させると指摘されており、その反省から小選挙区制への改革が行われました。しかし、小選挙区制では落選者への票が原則として無駄になる（死票が増える）ことや、過半数を得票しなくても勝てるため少ない票で多くの議席を得る政党があることなどの問題点も指摘されています。一方で制度変更は過去の弊害を繰り返す恐れもあり、比例代表とのバランスや新制度の設計が議論の焦点となっています。

非常にそう思う
死票の多さや二大政党化の弊害を是正するため中選挙区制や比例制への抜本的な変更を支持する立場。

ややそう思う
まだ変更は尚早だが将来的な検討は必要との立場や、小選挙区の議席より比例区の議席を増やすなど制度全体の中で小選挙区の比重を減らすべきとする立場。

どちらとも言えない
現制度の長所・短所を天秤にかける中立的立場。

あまりそう思わない
重複立候補など制度の大枠内の仕組みの見直しは行ってもよいが、大枠の変更には慎重な立場

まったくそう思わない
現行制度が最適と考え、見直しに反対する立場。

衆議院選挙の小選挙区制を直ちに見直すべきだ

現在、皇位継承は「男系男子」に限られている一方、今上天皇の次の世代に属する男系男子は悠仁親王しかおられず、皇族数が減少していることから、安定的な継承が困難になる懸念が強まっています。これを受け、旧皇族の男系男子を対象に皇籍復帰を認める案が検討されています。旧皇族とは戦後に皇室を離れた11宮家の子孫であるが、70年以上国民として暮らしてきた人々を皇室に戻すことに疑問の声もあります。男系男子継承の伝統を守るか、多様な継承制度を検討するかが大きな論点となっています。

非常にそう思う
伝統的継承を守るため旧皇族復帰を強く支持する立場。

ややそう思う
どうしても次世代の皇位継承者がいない等、やむを得ない状況が見えた段階でなら認めてもよいとする立場。

どちらとも言えない
伝統と現代的価値観の間で判断が難しいとする中立的立場。

あまりそう思わない
皇位継承安定化の1つの方法としては否定しないが、女性天皇など他の解決策を軸にするべきとする立場。

まったくそう思わない
一般人の皇籍復帰は憲法上の疑義など問題が多く、それよりは女性天皇など別の手段で解決を模索するべきとする立場。